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肺動脈性肺高血圧症を適応症とした経口プロスタサイクリン(PGI2)誘導体徐放性製剤「ベラプロストナトリウム」として、東レとアステラス製薬から「ケアロードLA錠60μg」が、科研製薬から「ベラサスLA錠60μg」が新発売された。
ベラプロストナトリウムは、東レの研究所で創製されたPGI2誘導体で、東レと科研製薬が共同開発したもの。既に「慢性動脈閉塞症に伴う潰瘍、疼痛及び冷感の改善」や「原発性肺高血圧症」の適応で承認され使用されている。発売された徐放性製剤は、ベラプロストナトリウムの血中濃度を持続化させ、服用回数の低減と1日服用量の増加を世界で初めて実現した。国内臨床試験成績をもとに、昨年9月に承認申請が行われ、肺動脈性肺高血圧症の適応を新たに取得した。
適応となった肺動脈性肺高血圧症は、心臓から肺に血液を送る肺動脈が狭くなって血液が通りにくくなり、肺動脈の血圧が高くなるというもの。原因不明の原発性肺高血圧症と、特定疾患に続発して起こる二次性の肺高血圧症に分類される。初期症状として、労作時の呼吸困難、易疲労感、動悸などの症状が見られる疾患で、進行すると心不全を引き起こす。
ベラプロストナトリウム徐放性製剤は、肺動脈性肺高血圧症に対し、1日2回の投与で有効性が認められる。薬価は、ケアロードLA錠60μg、ベラサスLA錠60μgともに1錠243・30円。