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【年頭のごあいさつ】流通改善のいまがその時”日本医薬品卸業連合会会長

2008年1月4日 (金)

日本医薬品卸業連合会会長 松谷 高顕

松谷 高顕氏

 昨年5月の総会で、4度目の会長をお引き受けいたしました。卸業界が抱える諸問題に誠心誠意取り組む覚悟でおります。

 顧みれば昨年は、官民対話に始まり、中医協や流改懇の議論を通じ、流通改善の機運が高まったほか、日韓医薬品流通フォーラムの開催や、欧州医薬品流通調査チームの派遣、JGSPの全面改訂、災害対策マニュアルガイドラインの策定など活発な卸連活動が展開された1年でした。

 とりわけ、医療用医薬品の流通における未妥結・仮納入、総価取引の是正のための流通改善策を盛り込んだ流改懇の緊急提言は、画期的でありました。積年の課題解決に向けて、卸業界は、不退転の決意で取り組むことが必要です。

 今回の提言の契機は、昨年3月の卸連と厚労省との官民対話に遡ります。当時、流通改善については、「薬価調査の信頼性を確保する観点から、未妥結・仮納入の是正を図る」という中医協薬価専門部会の指摘にもかかわらず、過去最大の診療報酬引き下げの影響を受け、得意先との価格交渉が難渋し、価格妥結状況は低率で推移していました。

 官民対話では、一定の薬価差益を認容するR幅から、流通安定の調整幅2%への移行に伴い、メーカーの高仕切価政策と相まって、未妥結問題がより深刻化したことの認識を共有し、総価取引について、「価値に見合った価格が尊重されるべき医薬品について総価取引には問題がある」という意見の完全な一致をみたことは、大変重要であると思います。

 その際、流通改善のためのガイドラインとして「医薬品流通適正化指針」設定の必要性を卸連が強く主張した結果、厚労省がこれを取り上げ、流改懇の検討課題とされました。中医協では、「薬価改定頻度のあり方については、未妥結・仮納入など、医薬品の流通改善方策についての流改懇からの報告を基に、本年秋以降検討を進める」ものとし、流通改善問題が重要な行政課題として脚光を浴びることとなりました。

 流改懇では、川下の医療機関側からの「売差がマイナスで、割戻し・アローアンスの割合が大きい川上の取引は不透明で信頼がおけない。このことが、未妥結要因になっている」との指摘を踏まえ、酷暑の頃、卸・メーカー・学識経験者による流改懇作業部会で、真剣な討議が行われました。

 このような経緯を経てまとめられました「緊急提言・留意事項」の中で、メーカーと卸売業者の取引では、一次仕切価水準の適正化や、割戻し・アローアンスの一層の基準の明確化と適正な運用に努めることとされ、また、卸売業者と医療機関・薬局の取引では、単品単価交渉を原則とし、総価契約を行う場合でも総価除外品目を設定するなど、可能な限り個々の医薬品の価値と価格を踏まえた取引を行うこととされました。

 さらに、四半期決算に対応した3カ月内の妥結を原則とし、長期未妥結・仮納入は6カ月を超える場合とすることなど、特筆すべき提言が盛り込まれました。

 この提言の報告を受けた中医協では、その実効性を疑問視する意見、未妥結を是正できない場合には新たな薬価算定ルール設定を考えなければならないとする意見や、医薬品卸業の公的医療保険制度下での規制強化を示唆する意見などが相次ぎました。卸業界は、これらの意見をしっかりと受け止め、緊急提言の実現を図り、新しい医薬品流通を確立しなければならないと考えます。

 年が明け、薬価改定告示を踏まえて、最初の山場となる卸とメーカーとの間で仕切価交渉が始まります。卸各社の積極的な取り組みが望まれます。

 昨年の会長就任のあいさつで、旧約聖書にある「何事にも時があり、天の下の出来事にはすべて定められた時がある」との言葉を紹介し、「流通改善のいまがその時」と申し上げましたが、私自身、年頭に当たり決意を新たにしております。

 また、トレーサビリティー確保のためのIT化の推進も官民対話のテーマでした。生物由来製品と特定生物由来製品については、流通コードが標準化され、バーコード表示が必須事項となりましたが、他の医薬品については、今後の課題とされております。トレーサビリティー対策だけでなく、医療安全やカウンターフィット流通防止のためにも、全医薬品への拡大が望まれます。本年も、重要課題として力を尽くしてまいりたいと考えます。

 大衆薬につきましては、改正薬事法の施行に伴い、来年4月から登録販売者を置くことにより、コンビニエンスストアなどでも医薬品を販売することができるようになります。卸の販売活動にも大きな変化が生じます。新たな状況にどのように対応していくか検討を深める必要があります。

 本年9月には、IFPW(国際医薬品卸連盟)の総会が、EUで一番の経済成長率を誇るアイルランド共和国の首都ダブリンで予定されています。新たな発展段階を迎えたEUを肌で感じるよい機会であり、多数の皆様方の参加をお願いします。また、昨年の日韓医薬品流通フォーラムは、日本に一番近い国に目を向けるよい機会となりました。今後は、成長著しいアジア諸国との交流を一層深め、わが国医薬品卸の国際活動の促進を図っていきたいと思っております。

 医療費抑制策を反映し、市場環境は、大変厳しく難問山積ですが、医薬品流通の新秩序形成のため、本年も全力で諸課題に取り組む所存です。




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