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【年頭のあいさつ】セルフメディケーションを普及・定着”日本大衆薬工業協会会長

2007年01月02日 (火)

日本大衆薬工業協会会長 伊部 幸顕

伊部 幸顕氏

 国民・生活者は、ますます健康志向を高め、健康増進や生活習慣病対策に熱心に取り組んでいる結果として、トクホやダイエタリーサプリメントなどの健康食品の売り上げが伸びています。一方、国民・生活者の健康を守る国民皆保険制度は、少子高齢化や景気低迷の影響を受けてその財政は逼迫し、その立て直し策として薬価の引き下げやジェネリック医薬品の使用が推進されています。

 本来、セルフメディケーションを通じて国民・生活者の健康維持・増進や軽度の疾病の予防・改善のための役割を果たさなければならない大衆薬の市場は、ここ10年来減少傾向にあります。大衆薬の活用は、国民・生活者の健康に寄与するだけでなく、医療財政にも貢献できるものと確信しており、その意味でも、ジェネリック医薬品だけでなく、大衆薬にもフォローの風が吹いてもいいのではないかと思っております。

 昨年は大衆薬にとって変革の時になりました。つまり、大衆薬の販売制度を大幅に見直した薬事法改正が公布され、3年以内の施行となりました。当協会では、薬事法の改正に先立って、大衆薬の活性化につながる5項目の提言を要望書として厚生労働大臣に提出しました。要望内容のいくつかは改正薬事法やその付帯決議に盛り込まれました。また、大衆薬他団体と協議しながらその具体的対応を検討し、昨年11月に「改正薬事法の円滑な施行に関する要望書」を厚生労働省医薬食品局長に提出しました。

 当協会では、従来より事業活動戦略会議をはじめ委員会活動の中で、大衆薬の振興に係る問題を検討し、その具体化について行政当局とも協議しています。一方、新しい販売制度では、薬剤師や登録販売者の係わりがより重要視されることから、関係団体との交流を拡大し、共通のテーマについて協議してまいります。

 昨年から厚労省医政局経済課の主導により、新医薬品産業ビジョン策定が進められていますが、当協会は大衆薬業界の代表として、大衆薬市場の活性化につながる提言を盛り込んだ意見具申を行っています。

 セルフメディケーションの認知度を高める活動の一環として、今年もセルフメディケーションハンドブックの配布、朝日新聞社または読売新聞社とそれぞれ共催で生活者を対象とした市民参加型のフォーラムも引き続き実施する予定です。

 このたびの改正薬事法では、セルフメディケーションの啓発に国も積極的に取り組むことが定められています。しかし、国民・生活者には何が大衆薬で、何がトクホやダイエタリーサプリメントか、その違いが分かりづらく混乱しているのが現状です。国民・生活者が健康管理のために自助努力で使用する製品について分かりやすい解説が必要と考えています。大衆薬は効能・効果が定められており、開発から製造・販売、そして安全性に関してまで、最も厳格な管理が義務づけられています。大衆薬の役割や良さ、健康食品との違いを国民・生活者に分かってもらえるよう、新たなPR活動を検討しています。

 国民・生活者の健康づくりに貢献できるよう、魅力ある大衆薬を提供しセルフメディケーションがさらに普及・定着するよう努めてまいります。今後とも、皆様方のご指導、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。



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