第36回医療情報学連合大会が、『「集める」「読む」「伝える」から「つなぐ」へ!』をメインテーマに据え、サブテーマに『「たぶん」「おそらく」の確証~を』サブタイトルに掲げ21~24の4日間、横浜市のパシフィコ横浜で開かれる。
大会長を務める折井孝男氏(河北総合病院・NTT東日本関東病院・東京保健医療大学大学院)は、医療情報を共有化する際、これまでは、「情報をどのように集め、解析し、他の医療職種に伝えるべきか」が重視されてきたと指摘。しかし、医療を取り巻く環境の変化に伴い、地域連携の重要性が叫ばれるようになったことを踏まえ、「院内で情報をつなぐだけでなく、地域にも情報をつなげていくことが求められている」とし、「つなぐ」をメインテーマに据えた理由を説明した。
また、様々な職種が関係してくる医療情報の共有化には、「たぶん、そうだったと思う」といった曖昧さは厳禁となる。折井氏は、「医療に関するデータをしっかり捉えた上で、ものを言うことが大事」とし、『「たぶん」「おそらく」の確証』をサブテーマとしたことを明らかにした。
折井氏は、「当たり前のことをテーマにした」としつつも、曖昧さの解消も含め、「今までの文化を変えるのはとても大変なこと」と述べ、「最新の医療に関する情報を的確に捉える」ことの重要性を強調した。
大会テーマに沿ったセッションとしては、大会長講演をはじめ、大会企画1「医療ビッグデータを読む」などが挙げられる。また、共同企画6「処方せん・医薬品をめぐる最近の話題」をはじめ、産官学連携企画「医療データの2次利用が切り開く未来―医療機関の、製薬産業の、そして日本の未来」などのセッションも注目される。
このほか、厚生労働省医薬・生活衛生局の武田俊彦局長による教育講演「厚生労働省の医療ICT施策と医薬品安全対策」、厚労省・森和彦大臣官房審議官(医薬担当)の特別講演『医薬品の開発から市販後までを「つなぐ」には』、医薬品医療機器総合機構(PMDA)の近藤達也理事長による特別講演「レギュラトリーサイエンスに基づくPMDAの取り組み」なども企画されている。
折井氏は、「医療情報には様々な職種が絡む。それらをしっかり読み解き、つないでいくことを大事にする。そうしたメッセージが大会を通して届けばいい」と語った。