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検査薬事業を中心に世界展開‐4月発足の「積水メディカル」が中期事業ビジョン

2008年01月17日 (木)

関連検索: 検査薬 積水化学 第一化学薬品

会見する福田氏
会見する福田氏

 積水化学と第一化学薬品は15日、都内で会見し、4月に正式発足する「積水メディカル」の中期事業ビジョンを明らかにした。積水化学のメディカル事業部と第一化学薬品の統合新会社となる積水メディカルは、事業を4分野に再編・集中し、2011年度には主力の検査薬事業を中心に売上高500億円を目指す考えだ。

 積水メディカルは、選択と集中を事業方針に掲げ、積水化学のメディカル事業と第一化学薬品の9事業分野のうち、事業を2部門(検査部門・医療部門)、4事業分野(検査薬・検査用具・医薬・薬物動態)に再編する。積水化学の医療用部材事業と第一化学薬品の研究用試薬事業は、第三者へ承継する考えで、3月末を目標に交渉を進めているという。その上で、検査と医療の2部門に経営資源を集中的に投入し、事業拡大を図る方針だ。また、国内の開発・生産・販売拠点も統合・再構築し、事業運営を効率化する。

 特に、主力となる検査薬事業は、生化学、血液凝固、糖尿病、感染症、先端技術の5重点領域を設定。積極的に開発費を投入し、製品ラインナップの拡充を図る方針だ。

 現在、生化学領域は、HDL・LDLコレステロール検査薬で世界トップシェア、血液凝固領域では、血清中のFDP測定用試薬・Dダイマー測定用試薬で国内トップシェアを誇っている。11年度には、血液凝固に加え、糖尿病、感染症の3領域で国内トップシェア獲得を目指す。

 また、ラテックス検査薬の競争力強化、検査薬・分析装置一体ビジネスを推進すると共に、海外拠点を強化する。08年度中にはドイツに積水メディカルの販売拠点を立ち上げる予定で、高機能プラスチックカンパニーの8海外販社の活用、海外駐在員の増強と合わせ、5重点領域における国内トップシェア製品を中心に海外展開を加速させる。

 さらに、検査薬の生産能力増強を目的に、つくば工場に新製剤棟を建設。これにより、生産能力を1・7倍に増強し、新製品や海外事業の拡大に対応できる体制を整えた。新製剤棟は3月から稼働する予定になっている。

 一方、医療部門としては、キラル合成技術の強化による医薬原体事業の拡大、ヒト肝キメラマウスを用いた新規試験受託の本格稼働を進める。

 積水化学取締役高機能プラスチックカンパニーメディカル事業部長・第一化学薬品代表取締役社長の福田睦氏は、「主力となる検査薬事業で、11年度には売上高を270億円まで引き上げ、世界トップシェア製品を5製品に拡大し、国内トップシェアを重点領域のうち3領域で勝ち取っていきたい」と意欲を示した。

 積水メディカル単体としては、07年度売上高の330億円を11年度には500億円に拡大させる計画で、営業利益率18%、新製品比率20%、海外比率30%を目標に事業を展開していく方針。

 統合による売上シナジーは11年度に約50億円、コストシナジーは年間3億円を見込んでいる。

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