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【2017年年頭所感】日本の医療を支える存在に誇り‐薬卸連会長

2017年01月10日 (火)

日本医薬品卸売業連合会会長 鈴木賢

鈴木賢氏

 9月のIFPWロンドン総会での議論やパネルディスカッションを通じて、日本の流通の諸問題は世界の動向と共通している部分があると感じました。

 これからジェネリック医薬品80%時代を迎える日本においても、利益構造が変化してくることに伴い、医薬品卸のビジネスモデル、競争モデル、役割が変化してきているのではないかと感じます。

 このような変化が起きている中、薬卸連が取り組む課題で最も大きなテーマである流通改善についてですが、「新提言」が取りまとめられたことを受けて、厚生労働省医政局経済課では新提言の趣旨を徹底するため、公的医療機関本部等を訪問すると共に、昨年5月には各流通当事者に通知が発出されました。

 薬卸連では「新提言等フォローアップタスクフォース」を設置し、新提言に盛り込まれた取り組むべき事項の実現に向けて積極的な取り組みを進めています。

 その取り組みの一環として、7月には「医療用医薬品の流通改善」のポスターを作成し、会員卸企業の全ての事業所に掲示いただき、主要な四つの課題、「単品単価交渉の推進」「覚書締結の促進」「持続可能な後発医薬品の流通の実現」「本体価格(税抜価格)での交渉」について、業界一丸となっての取り組みをお願いしているところであります。

 皆様には、引き続き、こうした薬卸連の活動の趣旨をご理解いただき、各地区の状況を踏まえつつ、流通改善に全力を挙げて取り組んでいただくことが重要となりますので、よろしくお願いいたします。

 次に、単品単価交渉の推進について述べさせていただきます。昨年4月以降の価格交渉は、薬価改定だけでなく調剤報酬改定の影響もあり、9月末までの妥結に向け、非常に厳しいものがあった中で、これまで以上に単品単価取引に向けてのご努力をいただいたものと思います。取引先との共通認識のもと、引き続き、取り組みをお願いいたします。

 続いて、消費税の表示カルテルの徹底についてであります。薬卸連では消費税表示カルテルの円滑な実施に向け、取り組んでいただいているところです。当該カルテルは期限を切っての実施であり、この機会に薬価本体価格での価格交渉を商習慣として定着させなければならないと思っております。

 現時点の議論では2019年10月に消費税の増税が予定されています。これらのこともにらみながら、しっかりとした取り組みをよろしくお願いいたします。

 昨年の11月下旬には、薬価制度の抜本改革の議論が本格化し、薬価毎年改定について議論が起きている状況です。流通改善に逆行し、医薬品の安定供給に支障を生じかねない毎年改定については断固反対しており、薬卸連は12月初旬にその旨の声明を発表し、中央社会保険医療協議会においても同様の主張をしたところです。

 いずれにしましても、私たちは日本の医療を支える存在であることを誇りに思い、医薬品の安定供給と公的医療保険制度の適正運用に協力してまいることに今後も変わりはありません。



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