薬局からの疑義照会が外来患者の多剤投与(ポリファーマシー)に及ぼす影響を調査した結果が、14日に都内で開かれた第1回日本老年薬学会学術大会で、福岡大学病院薬剤部の神村英利氏から報告された。薬局からの疑義照会で残薬や過量投与などのポリファーマシーを是正したところ、約153万円の薬剤費削減につながった。これを2015年度の処方箋枚数8億枚として全国的な推定値を試算すると、約415億円に上ることが分かった。調査結果を受け、神村氏は、薬局において残薬の確認と薬学的判断に基づく疑義照会がポリファーマシー対策になっているとの見方を示した。
調査は、昨年9月1日から11月30日までの3カ月間、福岡大病院の近隣4薬局で薬学的な疑義照会を行った事例が外来患者のポリファーマシーにどのような影響を与えるかどうか解析したもの。
その結果、患者の年齢は中央値で65歳、変更前の処方薬剤数の中央値は5剤、応需処方箋は2万9487枚だった。そのうち、薬学的に疑義のあった処方箋が670枚、薬学的疑義照会率は2.3%となった。
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