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ベックマンコールターは7月1日から、研究所向けに、最大で30の疾患関連遺伝子の発現を同時に解析できる遺伝子発現定量解析システム「GenomeLab GeXP」の販売を開始する。価格は1台1300万円(税別)で、今年度中に最大で50台の売り上げを見込む。
従来、遺伝子の解析ではプライマー配列の違いによって、検出する遺伝子ごとに発現量に差が出ていた。また、一般的に遺伝子発現の解析に用いられるリアルタイムPCRでは、五つ以上の遺伝子の発現の解析が難しいとされている。
同製品は、遺伝子の定量解析に、標的となる疾患関連遺伝子のプライマーと、全プライマーに共通の遺伝子配列であるユニバーサルシークエンスを組み合わせた「キメラプライマー」を活用している。ユニバーサルシークエンスと組み合わせたことで、数種類のサンプル間のデータのばらつきが少なく、再現性が高いという。
また、複数の遺伝子発現を同時に解析できるだけでなく、最大で20ngの検体で解析が可能なため、一般的に遺伝子発現の解析に用いられるリアルタイムPCRに比べ、コスト削減が可能となるとしている。
同社は、日本の遺伝子発現解析システムの市場を、約100億円と予想している。医学や薬学などの分子生物学の実験を行う研究所向けに、代理店を通じ拡販していく考えだ。