
土井社長
北海道のバイオベンチャー「イーベック」は、感染症を重点領域に独自のヒト抗体作製技術を治療薬だけではなく、診断薬メーカーの診断薬開発にも役立てる新たな戦略を打ち出した。感染症領域の抗体医薬では、独ベーリンガーインゲルハイムやアステラス製薬に導出実績がある同社だが、診断薬領域にも技術を活用できると判断。マウス抗体を使用するイムノクロマト法による検査薬では、2%程度で偽陽性が発生する問題があるが、ヒト血液リンパ球から高活性の抗体を作製する技術を診断薬メーカーへ売り込み、精度の高い検査結果が得られる診断薬開発を支援する。土井尚人社長は、本紙のインタビューに応じ、「当社の抗体技術力を生かし、感染症の治療薬メーカーと診断薬メーカーの開発をサポートしていく“つなぎ役”を果たしていきたい」と意欲を示す。
東京五輪までの実用化支援
同社は2003年に設立し、北海道大学遺伝病制御研究所の高田賢蔵教授が進めてきたEBウイルス研究の成果をもとに、EBウイルスの変換方法を用いることで、主に感染症で純国産のヒトモノクローナル抗体の開発を進めてきた。08年にベーリンガー、11年にアステラスに対して、完全ヒト抗体の導出を達成した実績を持つ。
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