世界的に生薬・薬用植物への関心が高まる中、生薬の国際取引では名称の混乱、同名異物などの問題が顕在化している。生薬の安全性を担保し、有効に利用するためには、各国で使用されている生薬に関する情報を収集・整理し、共通認識を得ることが重要となる。
西太平洋地区の6カ国1地域(日本、中国、韓国、ベトナム、シンガポール、香港、オーストラリア)をメンバーとして、「生薬・薬用植物に関する国際調和のための西太平洋地区討論会(Western Pacific Regional Forum for the Harmonization of Herbal Medicines、FHH)では、生薬・薬用植物の品質、安全性と有効性の向上を目標とした標準および技術指針の開発に関わる検討を重ねている。
今月9、10の両日に東邦大学習志野キャンパスで開かれた日本生薬学会第64回年会では、日本薬科大学、医薬基盤・健康・栄養研究所、慶應義塾大学、国立医薬品食品衛生研究所のグループから、FHHの国際調和を志向した活動の一環として行っている各国薬局方の比較研究の結果のうち、日本と中国の薬局方における代表的生薬の成分定量法の比較が報告された。
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