協和発酵キリンは、肝細胞癌、非小細胞肺癌(NSCLC)の適応で第III相試験、胃癌の適応で初期の臨床試験を実施していたc-Met阻害剤「チバンチニブ」の開発を中止したと発表した。同社にとって初めて後期臨床ステージに進んだ低分子の抗癌剤であったが、いずれの癌腫においても期待していた有効性が得られなかった。
チバンチニブは、米アーキュールが創製したc-Met阻害剤で、協和発酵キリンが日本、中国、韓国、台湾での独占的開発・販売権を取得している。c-Met高発現の肝細胞癌患者を対象とした第III相試験「JET-HCC試験」では、プラセボ群に対して主要評価項目の無増悪生存期間で有意差を示せなかった。また、進行・転移性NSCLC患者を対象にエルロチニブとの併用療法を検討した第III相試験「ATTETION試験」では、副作用として発症した間質性肺疾患の頻度を踏まえ、2012年に試験を中止した。
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