インタープロテインは、蛋白質-蛋白質間相互作用(PPI)を標的とした低分子医薬品の創薬に人工知能(AI)を活用し、実験を行わずに化合物の活性予測が行えるシステム構築に乗り出した。PPI創薬に対して基盤技術を持つ同社だが、ディープラーニング技術に強いエーアイスクエアと提携し、コンピュータ上のインシリコスクリーニングで得られた候補化合物の活性予測の精度を上げることで従来の創薬プロセスを短縮し、探索初期段階で標的に高い阻害活性を示す新薬候補化合物を取得できるよう支援する。細田雅人社長は、本紙のインタビューに対し、「一つの薬剤を上市するために膨大な開発費用がかかっているが、われわれの分子設計技術とAIを組み合わせることで、開発費用を低減して生産性を高めたい」と話す。
バイオから低分子へ
同社は、低分子医薬品とペプチドの二つのアプローチで製薬企業のPPI創薬を支援している。既に低分子医薬品では、独自技術である「INTENDD」で標的分子の構造情報をもとに3D分子模型を作製し、精密に低分子化合物の結合部位を探索した後、結合部位の形との相補性を最重視するコンピュータ分子設計法「SBSG」法で化合物ライブラリから高い阻害活性を持つ複数の化合物を抽出し、製薬企業に提案してきた。従来のドッキング法で取得できるヒット化合物の確率が0.5%だったのに対し、INTENDDでは約18%とヒット率の精度を高めた。
* 全文閲覧には、薬事日報 電子版への申込みが必要です。