中外製薬は17日、同社が創製したバイスペシフィック抗体(二重特異性抗体)「エミシズマブ」について、ロシュグループの米ジェネンテックが血液凝固第VIII因子に対するインヒビターを保有する血友病(先天性血液凝固第VIII因子欠乏症)の適応で、米国承認を取得したと発表した。インヒビター保有の血友病Aに対する承認に加え、ヒト化二重特異性抗体が医薬品として承認されるのも世界初。日本が世界から大きく遅れを取る抗体医薬の領域だが、日本の研究所から生まれた次世代抗体の二重特異性抗体では市場一番手となり、世界の先陣を切った格好だ。
エミシズマブが承認を取得した適応症は、先天性血液凝固第VIII因子欠乏症に対する週1回の皮下投与による予防投与療法。エミシズマブは、独自の抗体改変技術を用いて創製されたバイスペシフィック抗体(二重特異性抗体)で、活性型第IX因子と第X因子に結合し、活性型第IX因子による第X因子の活性化反応を促進することで、血友病Aで欠損・機能異常となっている第VIII因子の補因子機能を代替する。従来は、第VIII因子のインヒビターを保有する患者に対しては、週2~3回静注投与のバイパス製剤に限られていたが、エミシズマブは週1回投与の皮下注製剤で、利便性の向上も見込まれる。
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