来年4月に施行予定の医薬品の製造販売後調査および試験の基準に関する省令(GPSP省令)で、対照群を置いた使用成績比較調査やデータベースを活用した製造販売後調査が可能になった。研究目的を明確にせず、全例調査として3000例を集積する従来型の安全性監視活動から、化合物の特性やリスクに応じて安全性監視戦略を策定する製販後調査を目指す中、19日に都内で開催された日本薬剤疫学会学術総会のシンポジウムで、規制当局や企業、アカデミア、医療者が製販後調査結果から添付文書の使用上の注意における改訂を行う際の、今後の方向性や課題などを議論した。
座長を務めた医薬品医療機器総合機構(PMDA)の石黒智恵子氏は、2005年ごろは海外で承認された医薬品が日本で未承認となっていたドラッグラグが課題となっていたことを背景に、「安全性プロファイルが分かっていたため、通常の製販後調査、安全性監視活動でよかったが、ドラッグラグが解消され“世界初医薬品”が日本で上市されるようになり、従来型の監視活動では限界が出ている」と問題を提起。GPSP省令が改正され、「データベースを活用した研究がトリガーになり、産官学で大きな変化の局面に入り、全ての製販後調査を見直していこうとしている」と述べた。
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