医薬品とは別業界で各社が扱う製品を共同で運ぶ“共同物流”が加速している。食品業界では、味の素、日清オイリオ、日清フーズ、ハウス食品グループ、カゴメの食品メーカー5社が2019年4月に物流事業を統合し、全国規模の物流会社を発足すると発表した。トラックドライバー不足に代表される慢性的な物流従事者の不足などの食品物流における諸課題の解決が狙いで、地域での共同配送を検討するプロジェクトから、全国規模の物流で合弁会社を立ち上げることになった。医薬品のサプライチェーンでも、製薬大手同士が協力し、北海道などの地域に限定した医薬品の共同保管・共同配送に向けたトライアルが進められている。食品と医薬品では規制や製品の品質要求事項に違いがあるが、食品業界の共同物流が医薬品業界に波及する可能性もある。
食品物流を取り巻く環境は、物流従事者の不足や燃料価格の上昇、二酸化炭素排出をはじめとする環境保全への対応など、深刻な課題となっている。食品メーカー5社と調味料を扱うMizkan(ミツカン)は15年2月に、効率的で安定的な物流体制の実現に向け、食品企業物流プラットフォーム(F-LINE)の構築に合意し、6社による協議体で協議を重ね、関東・関西間の中距離幹線輸送再構築、北海道エリアの共同配送などの取り組みを進めてきた。
* 全文閲覧には、薬事日報 電子版への申込みが必要です。