厚生労働省は、注射用抗癌剤を安全に複数回使用するための指針をまとめ、全国の医療機関に周知するよう都道府県に通知した。安全性、安定性の確保や調製上の過誤防止に注意し、複数回使用は高額薬剤に限るなど、各施設で事前に対象薬剤を検討した上で実施するよう求めた。原則として同じバイアル製剤の使用は2回まで。清浄度クラスが高い環境で保管し、当日内に使用することとした。正式に指針が通知されたことで高額な抗癌剤など余った残薬を廃棄せず、有効活用できるようになる。
通知では、抗癌剤などを複数回使用する場合、細菌混入のリスクなど微生物学的な安全性、品質の安定性を確保し、薬剤の取り違えや調製上の過誤防止に最大限注意するよう求めている。また、こうした医療安全上のリスクを踏まえ、複数回使用は高額薬剤を使用する場合に限るなど、各施設で事前に対象薬剤を十分に検討した上で実施するよう促した。
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