水島裕(みずしま・ゆたか)氏(元参議院議員、聖マリアンナ医科大学名誉教授、元文部科学大臣政務官)が7日、急性心不全のため都内の病院で死去した。74歳だった。通夜・葬儀・告別式は近親者のみで行う。喪主は妻の綾子さん。後日、偲ぶ会が行われる予定。
水島氏は、1963年に東京大学医学部大学院を修了、66年には薬学博士を取得した。その後、83年に聖マリアンナ医科大学第一内科教授(現名誉教授)となり、90年には同医大難病治療研究センターを設立、初代センター長(現名誉センター長)に就任した。02年には、東京慈恵会医科大学DDS研究所長(現名誉所長)も務めている。
その一方で、日本炎症・再生医学会、日本臨床薬理学会、日本リウマチ学会、日本抗加齢医学会、日本DDS学会などの創設に関わると共に、日本臨床薬理学会、日本リウマチ学会など多くの学会の会長・理事長を歴任した。
さらに、88年に自らの研究をもとに大学発バイオベンチャーの草分け的存在であるLTT研究所を立ち上げた。その後同社はLLTバイオファーマとなり04年に東証マザーズに上場を果たすなど、わが国の新薬開発から薬物治療に大きな功績を残した。日本リウマチ学会賞、日本薬剤学会賞、科学技術庁長官発明賞、中国国家「友誼賞」、旭日中綬章などを受賞。
また95年には参議院議員(比例区)に当選。01年に文部科学省初代大臣政務官に就任、参議院では厚生委員会筆頭理事を歴任するなど、わが国医療政策の立案にも貢献した。
父の故水島三一郎氏は東大名誉教授で文化勲章受賞者、母の故水島勅子氏は皇后陛下の母方の叔母にあたる。