製薬各社も入居、共同研究へ
鳥取大学は、独自の染色体工学技術をもとに抗体医薬の開発を目指す「とっとり創薬実証センター」を本格稼働させた。文部科学省の拠点整備事業に採択されたもので、染色体工学研究センターが約30年にわたる研究で独自開発した人工染色体ベクターを基盤に、完全ヒト抗体産生動物を用いた抗体医薬の開発や疾患モデル動物の作製による既存薬の再開発(ドラッグ・リポジショニング)につなげる。創薬実証センターには大手製薬企業も入居し、産官学共同研究の体制が整った。プロジェクトの指揮を執る染色体工学研究センター長の久郷裕之教授は、「まず数年で付加価値のある抗体医薬を一つ出すことが最大のミッション」と意気込みを語る。
創薬実証センターは、文科省の地域科学技術実証拠点整備事業に鳥取大と鳥取県で共同提案したもので、これまで大学で築き上げてきた染色体工学の独自技術が評価された。7月から本格稼働した創薬実証センターは3階建て、九つの居室と四つの実験室、オープンラボで構成。既に第一三共、田辺三菱製薬、中外製薬と大手製薬企業が入居しており、今後は染色体工学研究センターの創薬研究・支援部門が中心になって産官学連携の抗体開発プロジェクトを進めていく計画だ。
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