手順書のひな形を各社に提供
日本製薬工業協会品質委員会GMP部会は、医薬品製造で記録や保管を行う際にデータの完全性を意味する“データインテグリティ(DI)”に対応するためのプロジェクトを発足し、このほど、医薬品製造企業の製造所がDI管理を意識した手順書を作成する際のひな形となるテンプレートの提供を始めた。PIC/SやICHのGMPとの整合性から、国内でGMP省令を見直す動きが進む中、DIへの対応が改正案で大きな柱の一つになっている。同プロジェクトでは、製造所の業務プロセスに活用できる実践的なツールを提供し、DIを管理するための手順書作成からその運用をどう進めていいか悩む製薬各社の参考にしたい考えだ。
DIは、記録の完全性を意味する新たな用語だが、医薬品の品質・有効性・安全性を保証するために、GMPが実施された証となる記録がきちんと行われていることを意味するGMPでは基本の要求事項だ。各規制当局の査察時におけるワーニングレターでも、DIの不備が最も多く、企業にとって大きな課題となっている。日本でも化学及血清療法研究所のデータ改ざん問題から、製造販売業者に対し、製造販売承認書と製造実態に関する自主点検を求める事態が起きている。
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