国の要求と現場に乖離も
東北医科薬科大学病院薬剤部は、電子カルテのテンプレート機能を活用して院内副作用報告を一元管理する仕組みを構築し、今年4月から運用を開始した。副作用報告は医療機関からの件数が少ないことが課題になっていたが、同院では院内で発生した副作用を医薬品情報(DI)室で効率的に管理する体制を構築。医薬品医療機器総合機構(PMDA)への報告を判断する基準も定めたところ、医療従事者の負担軽減につながり、報告件数の増加につながった。DI室を担当する菊池大輔主任薬剤師は、さらに医療機関からの報告を増やすためにも、国の報告書の項目数見直しや報告基準の明確化を提言している。
医療機関で医薬品による副作用が発生した場合、厚生労働省への報告が薬機法で義務づけられているが、医療機関からの報告は少なく6000件前後で推移しており、大半は製薬企業から報告されているのが現状。同院でも副作用に関する明確な取り決めはなく、病棟薬剤師による薬剤管理指導で副作用モニタリングが行われていたものの、個人の裁量に任されており、PMDAへの副作用報告は過去10年間で数件にとどまっていた。
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