東京大学は、DNAやRNAを含む450以上の遺伝子を解析し、癌の遺伝子変異型を検査する独自開発の癌遺伝子パネル検査装置「TodaiOncoPanel」(東大オンコパネル)について、先進医療Bとして複数の癌腫の癌患者200人を対象とした臨床性能試験を開始した。遺伝子変異、増殖、融合遺伝子を網羅的に調べることで、幅広い癌腫で適切な治療選択が可能となるかを評価し、保険適用に向け2020年の国内申請を目指す。同大学院医学系研究科産婦人科学講座生殖腫瘍学の織田克利准教授は4日、都内で会見し、「世界で先行しているパネル検査も凌駕して、東大のパネル検査が世界標準になるという意気込みで進めていきたい」と語った。
癌遺伝子パネルは、癌の遺伝子変異を一つずつ調べる従来の検査法ではなく、一度に多数の遺伝子の変異を調べることで、より早く多くの遺伝子変異の情報を知ることができ、分子標的薬など患者一人ひとりに合った最適な治療法を選択するために使われる。海外では既に承認されている遺伝子パネル製品があるが、現時点で国内で承認された製品はない。
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