サノフィは、抗トキソプラズマ原虫剤「スピラマイシン錠150万粒単位『サノフィ』」を新発売した。先天性トキソプラズマ症の発症抑制を効能・効果に投与される。
スピラマイシンは、16員環マクロライド系化合物。国内では、トキソプラズマ症を適応症として承認されている薬剤がなかったため、2011年に日本産科婦人科学会からスピラマイシンの開発要望が出され、その後、厚生労働省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」において医療上の必要性が高い薬剤として評価された。サノフィが14年11月に厚生労働省から開発要請を受け、昨年10月に承認申請を行い、今年7月に承認を取得していた。トキソプラズマ症に初めて感染した妊婦に対し、先天性トキソプラズマ症の発症抑制で投与される。
トキソプラズマ症は、加熱が不十分な食肉、飼い猫のトイレ掃除、園芸、砂場遊び、もしくは洗浄が不十分な野菜や果物を介して、トキソプラズマ原虫が口から体内に入り発症する疾患。妊婦が初めてトキソプラズマに感染した場合、感染が胎児に及ぶ可能性があり、死産および流産だけでなく、胎児に水頭症や精神・運動機能障害、視力障害など、重篤な症状をもたらす。