第一三共のジェネリック医薬品(GE薬)子会社「第一三共エスファ」は、オーソライズド・ジェネリック(AG)として発売予定のEGFR阻害剤「ゲフィチニブ」(先発品名:イレッサ)など抗癌剤4製品を柱に癌領域へと参入し、2025年までに薬価ベースで売上1000億円を目指す。癌患者を講師として招き、患者が癌治療でどんな負担を抱えているか実体験を聞き、全社員で共有する社内研修を実施。癌患者と触れ合うことで、患者ニーズから日々の業務に生かす意識改革も始まっている。義若博人社長は、本紙のインタビューに応じ、研修を通じて見えてきた癌患者の医療ニーズについて、「GE薬に対する不安もあったが、先発品と同じであれば前向きに処方してもらいたいというAGへの期待感があった」と癌領域でAGの価値を最大化していきたい考えだ。
同社は、AG主体のGE薬メーカーで、17年度の売上高は降圧剤「オルメサルタン」のAGが貢献し、前期比2.3倍の486億円と大幅に伸びた。今後は、イレッサに加え、前立腺癌治療剤「カソデックス錠・同OD錠」、乳癌治療剤「ノルバデックス錠」、閉経後乳癌治療剤「アリミデックス錠」のAGの事業化についても、先発品を販売するアストラゼネカ(AZ)日本法人と合意し、第一三共エスファがAGとして現在国内申請しており、25年度の売上1000億円目標に向け、癌領域を強化する方針だ。
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