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【2018年回顧と展望】生活者の健康維持・増進へ積極的に取り組む‐OTC薬協顧問

2018年12月26日 (水)

日本OTC医薬品協会顧問 西沢元仁

西沢元仁氏

 2017年に施行となったセルフメディケーション税制による所得控除は、今年から可能となり、1月には税務署での申告受付が始まった。PCや携帯を利用したe-Tax(電子申告)の利用も進み、およそ2万6000人がセルフメディケーション税制の初年度利用者となった。

 1月22日には、恒例の新年祝賀会がグランドアーク半蔵門で行われたが、記録的な大雪の中での開催となった。大雪にもかかわらず、会員と共に関係業界や政界・行政当局の方々のご参加をいただき、セルフメディケーションの推進に向けた決意を固めることができた。

 グランドデザインに沿った市場の拡大が進むと共に、海外からの訪問者を考慮したOTC医薬品の説明の多言語化の取り組みなどが進められた。

 春の叙勲では、当協会名誉顧問(前理事長)鶴田康則氏が瑞宝中綬章の栄に浴された。

 グランドデザインの構築をはじめ、様々な取り組みを進められた杉本雅史会長が社の事情により退任されることとなり、後任として佐藤誠一氏(佐藤製薬)が第13代会長に選任された。

 5月の当協会年次総会に合わせ、一般社団法人日本OTC医薬品情報研究会の編纂による「OTC医薬品事典 第16版」が出版された。

 中国の近代化に向けた改革の一環として、薬事行政の機構改革も大規模に進められる中、友好団体である中国非処方薬物協会による訪日団や、成都市食品薬品監督管理局訪日団などの来訪が相次いだ。

 政府与党による「経済財政運営と改革の基本方針2018」(いわゆる骨太方針)に、セルフメディケーションが引き続き盛り込まれ、超高齢社会の先駆けとなっている日本が世界のモデルとして解決方策を示す上で、セルフケア・セルフメディケーションが引き続き重要であることが示された。

 これに呼応する形で、第1回セルフメディケーションデー(7月24日)が宣言され、この日を含む7月の1週間をセルフメディケーションウィークとして、国民への啓発の機会とすることとされた。7月23日には、多彩な人々の集まる講演会が第1回セルフメディケーションデーに向けて開催された。

 6月には、日本薬剤師会ほか6団体による「健康や医療・医薬品に関する情報を正しく理解していただくために」と題する共同ステートメントが発表され、正しい情報を生活者が入手し、適正な使用に努めることをいかに支えるかが強く指摘され、当協会としてもこれに賛同することを明らかにした。

 これに呼応する形で、日本一般用医薬品連合会から「OTC医薬品等の適正広告ガイドライン(2018)」が発刊され、東京および大阪で広告研修会が開催され、生活者に正しい情報を伝える上で、広告宣伝の果たす役割を認識し、より分かりやすく、適正な広告の実施に向けた取り組みの重要性がアピールされた。

 夏から秋にかけては、猛暑と共に大型の台風襲来等も相次ぎ、北海道、西日本の豪雨災害に際しては、関係団体と共に支援体制を構築した。

 そのさなか、吉野俊昭副会長(ロート製薬)が急逝し、業界を衝撃が襲った。セルフメディケーションの振興に尽くされた同氏の想いを、会員一同が一丸となって受け継ぐことが、葬儀に参列した数千人に及ぶ人々から強く示された。

 夏から秋にかけ、「丸の内キッズジャンボリー2018」等の親子啓発事業が、関係大学等の協力で今年も開催され、セルフメディケーションとOTC医薬品に対する理解を深めていただいた。10月には、OTC医薬品普及啓発イベント「よく知って、正しく使おうOTC医薬品」が、福徳の森周辺を会場に今年も開催され、後援者として小池都知事も来訪いただき、官民一体となった取り組みが示された。

 3月のフロリダ、6月のアムステルダム、10月にはパリで、世界協会(WSMI)の理事会が行われ、一連の改革の総まとめに向けた様々な規約等の整備、今後に向けた取り組みなどが論じられた。世界的にもセルフメディケーションを含むセルフケアへの進展が顕著となると共に、先進国のみならず、発展途上国でもe-Commerceと呼ばれるネット流通の交流が注目されていることが論じられた。

 10月にはアジア太平洋セルフメディケーション協会(APSMI)理事会がジャカルタ(インドネシア)で開催され、上原会長からヤン会長(中国)に会長業務が引き継がれた。なお、事務局機能は引き続き日本に置かれることとされ、社団法人としての登録に向けた取り組みが進められることとなった。第2代の事務総長として、当協会顧問・富永氏が選任された。

 内外ともに、様々な事件があり、また進展のあった18年であったが、世界の先駆けとして超高齢化社会のモデルを築くことが日本に課せられた大きな課題となっていることに変わりはない。生活者が自分の健康に責任を持ち、その増進に努めるセルフケア・セルフメディケーションを助けるOTC医薬品の供給者として、関係の皆様方と共に、引き続き取り組みを進めることを願って、今年を結ぶことを願っている。



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