東京医科歯科大学の松元亮准教授ら研究グループは、神奈川県立産業技術総合研究所の陳思淵研究員、名古屋大学環境医学研究所の菅波孝祥教授と共同で、皮膚に貼り付けることでインスリンの供給が血糖依存的に週単位で持続するシート「マイクロニードル型『貼るだけ』人工膵臓」のプロトタイプを開発した。1週間以上の持続性と血糖値応答性を世界で初めて実現した貼付型インスリンポンプとして実用化を目指しており、今後は動物を対象に安全性・有効性を検討する方針。
糖尿病に対するインスリン治療をめぐっては、インスリンポンプの普及が進んでいるが、患者の身体的・心理的負担や機械特有の補正・メンテナンスの必要性、医療経済上の問題など多くの課題がある。エレクトロニクス制御を必要としないインスリンポンプとしては、蛋白質を基材に研究開発が進むものの、生体由来材料であるために、蛋白質変性に伴う不安定性や毒性が避けられず、いまだ実用化には至っていない。
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