国内製薬、市場競争が激化
国内製薬企業が眼科領域に参入する動きが加速している。細胞医療での事業化を目指すアステラス製薬は、萎縮型加齢黄斑変性(ドライ型AMD)を対象としたES細胞由来の網膜色素上皮細胞(RPE)「ASP7317」の第Ib/II相試験を開始した。中外製薬は今年度からスタートした中期経営計画で眼科領域に参入し、視神経脊髄炎関連疾患を対象とした自社抗体医薬品で年内に米国申請を行う。大日本住友製薬も他家iPS細胞由来の細胞治療薬でドライ型AMDを対象とした治験準備を進める。眼科領域は、参天製薬やノバルティス傘下のアルコンファーマなどスペシャリティファーマが強いニッチな領域だったが、細胞医薬品や抗体医薬、ペプチドなどモダリティ(治療手段)の多様化を背景に、市場内競争が激しくなってきた。
製薬各社は事業の選択と集中を進め、非重点領域を本体から切り離す一方、高齢化による市場拡大が見込まれる眼科領域を新たな重点領域に位置づけようとしている。これまでは緑内障やドライアイなどを対象とした点眼剤が中心だったが、ここにきて失明の危険性がある難治性疾患に対する開発にシフトしており、局所投与の抗体医薬品、他家細胞由来の細胞医薬品の開発も活発化してきた。
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