富士フイルムは、米バイオジェンのデンマークを拠点とするバイオ医薬品製造子会社「バイオジェンデンマークマニュファクチャリング」(デンマーク工場)を8億9000万ドル(約991億円)で買収する。8月までに買収手続きを終える予定。バイオ医薬品の開発製造受託市場(CDMO市場)の拡大を見込み、デンマーク工場の獲得に踏み切った。富士フイルムはグローバルで四つ目のバイオ製造拠点を保有することになり、4工場の培養槽を合計すると15万Lと現在の3倍の製造能力に達する。古森重隆会長CEOは12日、都内で記者会見し、「小規模から大量生産まで、あらゆる顧客ニーズに対応する体制を構築する」と語った。
バイオジェンのデンマーク工場は、2003年に設立。従業数約800人で1万5000L培養槽6基を含め、合計9万Lの培養能力を持つ。バイオジェンの多発性硬化症治療薬「タイサブリ」などの製品に加え、他社製品の受託製造も行う。今後は、富士フイルムが従業員を含む全機能を承継する。工場には拡張余地があるため、製造設備のさらなる増設も可能だという。
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