厚生労働省は8日、急性期の脊髄損傷治療を目的とした医薬品の臨床試験について、計画や実施等に関する方法と手順を示したガイドラインをまとめ、公表した。薬物療法がメインとなる急性期に範囲を絞り、臨床試験では、脊髄損傷による身体麻痺の悪化や脳梗塞など急性期病態に関連する有害事象も収集すること、有効性評価に影響を与える可能性がある薬剤は可能な限り併用禁止することなどを盛り込んだ。ガイドラインは医薬品のみならず、再生医療等製品の臨床評価にも活用できるとしている。
運動麻痺や感覚障害などが現れる脊髄損傷の国内患者数は10~20万人以上と推定されている。現在の医学では、脊髄を復元して麻痺を回復させることは難しく、ダメージの拡大を最小限に抑えるため、急性期治療は時間的制約の観点から薬物療法がメインとなる。
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