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「未承認薬使用問題検討会議」は6月30日、国内開発を早期に実施すべきと結論づけられながら、6カ月以上たった今も開発に着手できていないものが、16品目あることを公表した。患者数が少ない薬剤もあり、採算面の問題があるものの、同省としては必要な薬剤であるとして引き続き開発企業を募る。
16品目のうち、10品目は開発実施には至っていないが、治験準備や海外企業との交渉に入っている。しかし、4品目は開発企業が決まっておらず、2品目は国内開発を断念すると企業側から申し出があった。
開発企業が決まらないのは、▽システアミン(対象疾病:全身臓器にシスチンが沈着する「シスチノーシス」)▽ベタイン(血中にホモシスチンやメチオニンが蓄積し、尿中に大量排出される「ホモシスチン尿症」)▽スチリペントール(全身もしくは半身性の発作を伴う「乳児重症ミオクロニーてんかん」)▽経口リン酸塩製剤(原発性低リン血症性クル病)――の四つ。
開発企業が一旦決まりながらも、国内開発を断念したのは、▽ニチノシン(遺伝性高チロシン血症)▽コニバプタン(低ナトリウム血症)――となっている。
ニチノシンは、スウェーデンオーファンという会社が開発を申し出たものの、高チロシン血症I型患者は、日本では1症例のみであり、国内の提携協議が進まなかったという。
コニバプタンは、アステラス製薬が開発を申し出たが、対象患者が限定されるなどで「医療ニーズが極めて低い」と判断したという。
厚労省医薬食品局審査管理課は、「薬価が安いものが多いため、採算の問題もあるかもしれない。引き続き募集していく」としている。
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