
米食品医薬品局(FDA)は7月9日、再発・難治性多発性骨髄腫の成人患者に対する治療として、Xpovio(一般名selinexor)錠の使用をデキサメタゾンとの併用において承認したと発表した。
この併用療法は、2剤以上のプロテアソーム阻害薬、2剤以上の免疫調節薬および1剤の抗CD38モノクローナル抗体など、5剤以上の治療に抵抗性を示す患者を念頭に迅速承認された。
今回の承認はXpovioとデキサメタゾンを投与された再発・難治性多発性骨髄腫患者83例のデータに基づいて行われた。試験終了時点での全奏効率は25.3%で、初回奏効までの期間の中央値(範囲)は4週間(1~10週間)、奏効持続期間の中央値は3.8カ月だった。今回の承認に際しFDAは、多発性骨髄腫患者を対象とした現在進行中のランダム化比較試験の情報も参考にしたとしているが、Xpovioの臨床的有用性については今後もさらなる臨床試験を実施して検証していくことが必要としている。
この併用療法の副作用として報告が多いのは、白血球減少症、好中球減少症、血小板減少症および貧血などであり、嘔吐、悪心、疲労、下痢、発熱、食欲減退、体重減少、便秘、上気道感染および低ナトリウム血症も報告されている。FDAは、この併用療法を受ける患者については、血球数や血小板数の減少、ナトリウム濃度の低下をモニタリングすべきことを推奨している。さらに、めまいや錯乱を回避するため、これらを惹起する可能性のある薬剤の併用を避け、患者の水分補給状態や血球数、併用薬のバランスを図る必要があると注意喚起している。
なお、今回のXpovioは、Karyopharm Therapeutics社がFDAの承認を取得した。(HealthDay News 2019年7月9日)
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https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-approves-new-treatment-refractory-multiple-myeloma