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インフルエンザ治療薬タミフル(一般名:リン酸オセルタミビル)の服用と異常行動との因果関係を検証している厚生労働省のワーキンググループは、インフルエンザ患者約1万人の疫学調査などから、「タミフルの使用と異常行動発現との間に関連は検出されない」とする結論をまとめた。既に臨床研究、動物実験でも同様の結論が出ている。同省医薬食品局は、8月中をメドに薬事・食品衛生審議会医薬品等安全対策部会安全対策調査会を開き、最終的な結論と安全対策をまとめる方針だ。
ワーキンググループでは、昨年から今年にかけて1万0017人のインフルエンザ患者の異常行動の発現とタミフル服用の有無を分析する調査(厚生労働科学研究、代表:大阪市立大学医学研究科公衆衛生学廣田良夫氏)を行っていた。その結果が、「リン酸オセルタミビルの臨床的調査検討のためのワーキンググループ」(臨床WG)に報告された。終了後に会見した同省医薬食品局安全対策課は、タミフルの服用と非服用で「異常行動の発現状況に有意差は出なかった」と説明した。なお、受診前から異常行動があったケースは分析から除いている。
また、インフルエンザ患者の重度の異常な行動について、全ての医療機関から報告を求める調査(厚生労働科学研究、代表:国立感染症研究所岡部信彦氏)では、2006007シーズンと07008シーズンを比較した結果、昨年3月に10代への使用中止を求める注意喚起が出され、使用が控えられた後も、10代の重度の異常行動の発現率は、注意喚起以前とほとんど変わっていないことも示された。
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