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今春からの特定健診、特定保健指導もあって、特に働き盛り世代を中心として生活習慣病予防に対する意識、関心が高まっている。こうした中、東京都がこのほどまとめた「2006年東京都民の健康・栄養状況」によると、都民の中高年男性の約半数がメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)で、働き盛りの世代は忙しくて食事時間も乱れがちであること、なかなか運動に時間を取れないなどの実態が示された。
同報告書は、06年11月に実施した「都民健康・栄養調査」の結果をまとめたもの。調査は、健康増進法に基づく「06年国民健康・栄養調査」に都独自の調査項目を加え、さらに対象を拡大して実施されている。主な調査項目は、▽栄養摂取状況(1日の食事状況等)▽生活習慣(運動、休養、喫煙や飲酒等)――身体状況(医師などによる計測及び問診等)――で、いくつか興味深い結果も出ている。
今回の調査では、BMI(体格指数)の状況から、成人男性の33・7%、女性の17・8%が肥満と判別された。さらに、40歳から74歳までの男性の53・3%、女性の12・9%がメタボリックシンドロームが強く疑われる者、または予備軍と考えられることが分かった。
このほか、成人1日当たりの野菜類の平均摂取量は316・8gで、05年の303・7gと比較して増えたものの、目標量である350gを下回った。中でも20歳代女性は特に少なく、247・7gだった。
食事時間が遅れがちなことも特徴的で、成人男性の29・9%、女性の17・4%が夕食の開始時間が午後9時以降であり、20歳代男性の17・9%が午後11時以降に開始するなど、全国と比較すると夕食時間が遅い傾向にあった。
また、望ましい食事摂取のあり方や量などを分かりやすく示した「食事バランスガイド」を見たことがある人は、男性で19・0%、女性で38・5%、運動を実行していて十分に習慣化している人は、男性が22・6%、女性が17・4%、習慣的に喫煙している人は、男性36・7%、女性14・7%という結果が示された。
メタボリックシンドロームという名前を目にする、あるいは耳にする機会は、今年になって特に増えているのは確かだ。しかし、実際に自分が予備軍かは健康診断で初めて分かったり、「まだ軽いから」と気にしない人が非常に多いのも現状のようだ。
都調査でも、仕事の都合で夜の食事時間がどうしても遅くなってしまうのも、分からないではない。日頃から、少しずつでも生活習慣の改善を意識させる“仕組み”は、今後の医療行政の重要な課題といえよう。
そこで一つの提案として、薬局・薬店、ドラッグストアの活用を挙げてみたい。健康と美に関する様々な商品と情報発信、そして薬剤師をはじめとした専門家が相談に乗ってくれる。実際に「メタボリックシンドローム対策コーナー」を設けたところ、OTC薬やサプリメントに関する質問だけでなく、血圧や血糖をどうすれば減らせるかなど、生活習慣病に関する相談が増えてきたというドラッグストアは多い。健康をトータルにサポートできるという、他の小売業にない特徴を前面に打ち出す“好機”と言っていいだろう。
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