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【政府/自民党】社会保障分野の「2200億円削減」で攻防

2008年07月24日 (木)

自民党の合同会議
自民党の合同会議

 来年度政府予算編成作業で、各省概算要求の上限を定める政府の概算要求基準(シーリング)の策定をめぐる議論が、7月下旬の決着を目指し、自民党を巻き込んで大詰めを迎えた。22日の経済財政諮問会議で額賀福志郎財務相が、社会保障関係予算の2200億円の削減を確実に行うと表明、民間議員は削減メニューの一つとして後発医薬品の使用促進を挙げた。それらを踏まえ福田康夫首相は、「財政健全化と(医師不足など)重要課題への対応をの両立しなければならない」と方針を示したが、自民党内からは、削減の焦点である社会保障をはじめ、「もう限界だ」などと強い反発が起き、激しい応酬となっている。

 2011年度財政のプライマリバランス(PB)を達成するための三本柱である歳出削減、経済成長、税制改革のうち、経済成長が下ブレする恐れが高まり、税制改革も選挙を意識した先送り論が浮上、政府としては歳出削減路線の退歩は許されない状況にある。

 その中で22日の諮問会議では、シーリング策定や概算要求の大方針となる09年度「予算の全体像」策定に向けた議論を行った。政府は1月に、国内総生産の名目成長率は2.1(実質2.0)%との見通しを示したが、内閣府からは0.5(1.3)%にとどまるとの試算が示されたほか、民間議員からはPB達成に関し、1月時点の試算に比べ、11年度の対GDP赤字幅が数兆円単位で大幅に拡大する試算も示された。

 経済成長による税収確保が見通しが厳しくなった中、諮問会議では額賀福志郎財務相や民間議員らから、歳出削減路線の堅持を求める声が強まった。歳出削減のメッセージが強くなることを懸念した町村信孝官房長官が、「前向きなメッセージを」と促す場面もあったほどだった。

 諮問会議は次回で「予算の全体像」を決めるが、それに当たり22日、民間議員は意見書を提出。「経済成長戦略を迅速に実施する」とする一方で、「改革努力を継続する厳しい概算要求基準を設定し、メリハリの効いた歳出の見直しを行う」ことを求めた。

 社会保障分野では、自然増に対し2200億円の削減を行うとし、「医療・介護サービスの質向上・効率化プログラムに沿って、サービスの質の維持・向上を図りつつ、後発薬の使用促進等に取り組む」としたのに加え、雇用保険の国庫負担金を「大胆に縮減すべき」とした。

 医師不足や救急医療体制の整備など重要課題への財源は、歳出全体の無駄(ムダ・ゼロ)や政策の見直し(政策の棚卸し)によって捻出し、財政健全化と両立させることとした。

 しかし、経済成長が鈍化し、自民党内からは歳出削減路線は限界との声が挙がり、増税が避けられない税制改革論議にも選挙を意識して先送りの声がもれる中で、11年度のPB達成が困難な状況にもなってきた。

 それを問われた大田弘子経済担当相は、諮問会議終了後の会見で、「黒字化は達成する」と語気を強めた。歳出削減、成長力強化による税収確保、税制改革の「三つしか特効薬はない」と述べ、前者二つを確実に実施した上で「不足分は税制改革でやる」と改めて強調した。

 一方、自民党内では22日の政調全体会議に続き、23日は社会保障制度調査会と厚生労働部会などとの合同会議でシーリングについて議論し、決議をまとめた。「2200億円の削減を行わないこと」と併せ、福田首相の「五つの安心プラン」のほか、高齢者医療の見直し、医療ビジョンの実現、新インフルエンザ対策の充実、年金記録問題への対応などは、「概算要求基準の枠外とするなど、特段の配慮をすること」とし、歳出増圧力が一段と強まったことをうかがわせた。

 衛藤晟一厚労部会長は記者団に、財政再建も重要だが、医師不足など新しい問題への対応も必要なことから、「2200億円」にこだわらず柔軟な対応が必要であることを指摘した。




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