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厚生労働省の2006年「高齢者における社会保障に関する意識等調査」結果で、20歳代の若い世代と65歳以上の高齢世代では、社会保障への期待感や給付と負担の考え方の違いが鮮明になった。「社会保障にはあまり期待しない」が29歳以下では21.2%に上り、高齢世代では8.9%。「老後の生活はなるべく社会保障でみてもらいたい」は高齢世代の25.2%に対し、29歳以下は14.5%だった。給付と負担のあり方でも、若い世代は「負担増抑制・給付見直しやむなし」と考える傾向にあるのに対し、高齢層では「給付維持・負担増やむなし」と考える傾向がみられた。
調査は20歳以上を対象に、1万1086人が回答。5日に発表された。
過去の調査と比較すると、「自分で準備するが、足りない部分は社会保障で」が半数以上に上るものの、減少傾向がみられ、今回は51.1%だった。それに対し、「社会保障のための負担が重くなってもよいから、老後の生活はなるべく社会保障でみてもらいたい」は、やや増加して今回は23.9%だった。
しかし、年齢層別にみると、全体の傾向とは異なり、年齢層別では考え方の違いが大きい。いずれの年齢層でも「自分で準備するが足りない部分は社会保障で」が半数前後と最も多いが、「老後の生活は自分が考えるべき。社会保障にはあまり期待しない」は29歳以下では21.2%に対し、65歳以上では8.9%だった。
一方、「自分で準備するといっても限界がある。社会保障のための負担が重くなってもよいから、老後の生活はなるべく社会保障でみてもらいたい」は、29歳以下が14.5%なのに対し、65歳以上は25.2%だった。
給付と負担のあり方では、「負担増は極力抑制し、そのために必要な給付の見直しもやむを得ない」は29歳以下26.3%、65歳以上20.8%だった。
「現在程度の給付水準を維持する必要があり、負担増はやむを得ない」は29歳以下の27.3%に対し、65歳以上は41.6%だった。
今後の社会保障の負担のあり方では、「高齢者の負担は現状程度でとどめるべきで、少子高齢化による負担増は現役世代が負担すべき」が3割前後と最も多く、「現役世代の負担の上昇を緩和するためには、高齢者の負担が今より重くなってもやむを得ない」が29歳以下で24.1%、65歳以上で18.9%だった。「高齢者の負担を減らし、現役世代の負担を大幅に増やすべき」の割合は、50歳代以下は一桁だが、65歳以上では二桁で10.3%だった。
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