“
◆OTC薬市場は下降傾向をたどっていたが、2005年度に底打ちし、06年度、07年度と2年連続で伸長し、復調傾向にある。その牽引役が漢方薬だ
◆市場調査会社インテージのOTC市場データ(売価ベース)では、漢方薬は03年度の279億円から07年度には465億円と、全薬効群の中でトップの伸びを示した。06年度から拡大傾向が続いている。国民にメタボリックシンドロームの認識が広まり、腹部の脂肪に効果的な「防風通聖散」が急速に売上を伸ばしている
◆ただ、漢方薬は症状だけでなく、体質や体格など「証」と呼ばれる総合的な見立てで処方される。例えば、防風通聖散は体力があって血色がよい実証タイプで、腹部に脂肪があり便秘がちな人に適用される。脂肪があっても虚弱体質や下痢傾向の人には向かない
◆OTC漢方薬は効果を前面に打ち出した商品が多く、方剤名や証は小さく記されている。商品売上を伸ばせばいいという考えだけでなく、漢方薬に関心が持たれている今だからこそ、メーカーは漢方薬の考え方を国民に啓発していく必要があろう。
“