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◆航空機史上最悪の520人という犠牲者を出した日航ジャンボ機墜落事故。事故が起きたのは1985年8月12日。月日が経つのは早いもので、事故からもう23年も経過したことになる
◆毎年、この日になると、墜落現場である群馬県「御巣鷹の尾根」には、遺族が慰霊登山を行う。しかし、この数は年々減少してきているという。理由は遺族の高齢化。登りたくても登れない遺族の気持ちを思うと、改めて事件を風化させてはならないという気持ちになる。墜落地点には「昇魂之碑」と「安全の鐘」があり、ここを訪れた遺族は、必ずこの鐘を鳴らす。空の安全と悲劇を繰り返さないことを祈って
◆それでも、事故は繰り返される。福知山線脱線事故、明石歩道橋事故、竹ノ塚駅踏切事故などは最たる例だ。しかし、最近はこうした事故の遺族も、御巣鷹の尾根を登山するようになったという。「失われた命を明日の安全に生かしてほしい」という気持ちからだ
◆薬業界もまた、薬害を繰り返してきた。われわれにとっても、この日は悲劇を繰り返さない原点の日といえるかもしれない。