日本製薬団体連合会会長 手代木功
明けましておめでとうございます。2020年の年頭に当たりごあいさつ申し上げます。
一昨年の西日本における地震・豪雨・台風に続いて、昨年は中部・東日本に台風・大雨が深刻な被害をもたらしました。被災された方々に心からのお見舞を申し上げ、一日も早い復興をお祈り致します。
昨年は皇位継承により「令和」という新しい時代を迎え、祝賀ムードが漂い続けた1年でもありました。アジアで初のラグビーワールドカップで日本代表が人々の記憶に刻まれるプレーと好成績を残し「ONE TEAM(ワンチーム)」という流行語も生まれました。
共に、日本の新しい時代の幕開けを感じさせる出来事であり、われわれ医薬品産業もこれらから得た既成概念の打破、信頼の大切さ、多様性の尊重等を心に留め、会員団体一丸となって活動を展開するとの気持ちを新たにしています。
医薬品業界においては、昨年10月の消費税率引き上げに伴う薬価改定に続き、20年度の通常改定、21年度からの中間年改定が予定されており、非常に厳しい環境に置かれています。
過去に幾度となく続けられてきた「財源を薬価引き下げで調整する」といった安易な方策ではなく、給付と負担のあり方をはじめ、社会保障全体を各ステークホルダーが一丸となって抜本的な議論を進め、国民全体から信頼される持続可能な社会保障制度・国民皆保険制度を目指していただきたいと考えています。そのことが日本という国家自体の信頼につながるものと思います。
当連合会としては、イノベーション創出を効率的かつ迅速に行うための環境整備として、イノベーションを適正に評価する薬価制度の改善並びに研究開発税制の拡充、セルフメディケーションの推進とセルフメディケーション税制の維持・拡充などに引き続き取り組んでいきます。
また、昨年可決された「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(薬機法)の改正に伴い、今までにも増して、国民のニーズに応える革新的医薬品の創出やガバナンスの強化、さらには急速に拡大するアジア諸国等における日本の革新的医薬品のアクセス向上に向け、政府と協力しながら規制調和に向けた環境整備にも取り組んでいきたいと考えています。