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【2020年年頭所感】社会課題と向き合い、行動‐製薬協会長

2020年01月08日 (水)

日本製薬工業協会会長 中山讓治

中山讓治氏

 昨年、私たち日本製薬工業協会(製薬協)は、「政策提言2019―イノベーションの追求と社会課題の解決に向けて」を発表し、あらゆる機会を捉えて多くの方々にこの提言へのご理解を得るべく活動をしてきました。

 本年は、全世代型社会保障検討会議の取りまとめ、健康・医療戦略の見直しなど、製薬業界にとって重要な政策論議が予定されています。私たちはこれらの議論を通じて社会の諸課題と向き合い、また行動することで提言の実現に向けて取り組んでいきます。

 日本の経済・社会は、これまでの時代の中で様々な課題が生まれ、それらを一つひとつ克服して今日に至っています。とりわけ、公衆衛生の改善、医療技術の進歩によって、わが国が世界でトップクラスの健康長寿国となったことは、大変喜ばしく、誇りとするところであるはずです。

 ところが、寿命が延びたことで新たな課題が顕在化してきました。医療・年金・介護、すなわち社会保障の問題がその典型です。加えて、少子化による就労人口の減少は、社会保障制度の基盤を揺るがしかねない重大な課題となっています。全世代型社会保障検討会議をはじめとする議論を通じて、政府がこれらの問題にどのように向き合い、対策を打ち出していくか、重大な関心を持って注視しています。

 少子・高齢化社会の本質的な課題を、私たちは社会保障制度の支え手不足と捉えています。製薬産業に求められている社会的な存在意義は革新的な新薬の創出による国民医療への貢献です。今後、私たちは疾病治療におけるイノベーションにとどまらず、予防・先制医療の実現による健康寿命の延伸によって、従来の「支えられる側」を「支える側」に転換し、就労人口を増やすことで少子・高齢化社会の課題解決の一翼を担っていきたいと考えています。

 また、このように経済や社会の「支える側」を増やす、あるいは医療資源消費の効率化につながることで、社会保障の持続性に寄与することができる医薬品について、このような価値を持つ医薬品は一定の評価がされるべきであるとも考えています。

 革新的新薬の恩恵を広く日本にもたらし、健康寿命のさらなる延伸を実現するためには、「イノベーションの創出に向けた環境整備」と「イノベーションの適切な評価」が両輪として強力に推進されることが必要です。私たちはイノベーションの追求と社会課題の解決に向け全力で取り組んでいく所存です。



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