積水化学工業は16日、南カリフォルニア大学医学部(内科学消化器肝臓内科教授齋藤剛氏)およびサイトパスファインダーと創薬支援分野における遺伝子導入技術に関する社会実装へ向けた共同実証を開始すると発表した。実施期間は16日から1年間。
初代ヒト肝細胞の接着を助けるため、一般的にはコラーゲンなどの生体由来材料を使う。しかし、これらの材料は性質が均一ではないため、細胞の扱いにばらつきが出やすく、改良の余地があった。
さらに、初代ヒト肝細胞は遺伝子導入が難しく、有用な遺伝子導入技術の一つとして知られているサイトパスファインダーの固相トランスフェクション技術と組み合わせた場合でも、培養皿に固定した遺伝子導入試薬を細胞がうまく取り込めず、細胞の品質を保ったまま遺伝子を導入することが長年の大きな課題となっていた。
齋藤氏は積水化学との共同研究を通して、均一性の高いCegluを用いることで初代ヒト肝細胞を安定して均一に培養できることを明らかにした。さらに、Cegluとサイトパスファインダーの固相トランスフェクション技術を組み合わせることで、これまで難しかった初代ヒト肝細胞への遺伝子導入を可能にした。
このように、ヒト初代細胞を用いることで、従来の動物を用いた研究モデルでは難しかった高精度の細胞機能解析や、肝疾患の病態理解の深化、創薬研究の加速が期待されている。この技術が創薬支援分野を中心に広く波及する可能性を検証するため、今回の実証に取り組むこととなった。
実証内容としては、社会実装に向けた研究機関・企業へのサンプル提供を開始する。Cegluと固相トランスフェクション技術を組み合わせたテストサンプルをサイトパスファインダーから提供を開始する。
その上で、南カリフォルニア大で、創薬支援分野および細胞生物学分野で広く使用されているフェニックスバイオのヒト化肝臓キメラマウス由来の高品質ヒト肝細胞ならびにその他の初代ヒト肝細胞を用いて、▽さらなる遺伝子導入効率改善研究と再現性の評価▽遺伝子導入後の肝細胞機能・表現型(細胞アイデンティティ)の維持評価――を実施する。
積水化学は、これまで培ってきた材料技術を通して、多能性幹細胞の培養等を安定的に実現する化学合成足場材Cegluを開発、2025年に販売開始している。今回の実証を機に、これまで重点的に研究開発を進めてきた再生医療分野に加え、創薬支援分野での課題解決への貢献を目指していく。
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