田辺三菱製薬は14日、上野裕明取締役常務執行役員を4月1日付で代表取締役社長に昇格させる人事を決めた。三津家正之社長は取締役に退く。同日、大阪市内で開いた記者会見で上野氏は「いかにイノベーションを創出し、ビジネスの機会を広げることができるかが成長のカギとなる」と言及。機会の拡大を目指して、医薬品とテクノロジーの融合や海外展開の推進、未病や予後のケアへの進出などに力を入れる考えを示した。三菱ケミカルホールディングス内でのシナジー推進など具体的な方策は、今秋頃に発表予定の次期中期経営計画に盛り込む見通しだ。
新社長の人選作業は、次期中期経営計画を策定するタイミングでの交代を見据えて、三菱ケミカルHDから完全子会社化の提案を受けた昨年7月末より前に開始したもの。会見で三津家氏は、「完全子会社化が引き金になったというより、以前から動いてきたもの」と説明した。候補者の中から、長期的視野を持ち概念的思考ができるほか、社内外の人脈が広くネットワークを活用した創薬を推進できる人材として、上野氏を選んだ。
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