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後発品企業の実力試される時

2020年01月31日 (金)

 後発品企業の海外展開が本格化している。日医工、沢井製薬に続き、東和薬品がスペイン後発品企業の買収を発表し、国内専業大手が揃って欧州や米国の市場に進出することになった。国内で後発品企業の成長期は終焉し、ついに国内後発品企業の実力が世界で試される時がきた。

 振り返ると、後発品企業の成長は時代が味方してきた。2010年頃から拡大局面に入り、世界的な後発品大手であるイスラエルのテバや新薬メーカーでは第一三共やファイザー、サノフィが参入するなど、一気に活性化した。

 14年頃から現在までに後発品の数量割合はおよそ2倍にまで急拡大し、国が主導してきた使用促進策の流れに乗る形で、長期収載品のシェアを奪い、大半の企業が二桁増収を続け、市場の伸びをそのまま享受した。

 売上増で得た収益は安定供給体制の強化へと振り向け、工場での増産に投資した。一方、新薬メーカーは採算性の低い長期収載品事業の他社譲渡に追い込まれ、新薬に経営資源を集中させる産業構造を作り出すことにも成功した。

 しかし、後発品の数量割合が80%に近づき、市場の成熟期を迎える中で、成長に陰りが出始め、市場内の競争は激化。富士フイルムは後発品子会社「富士フイルムファーマ」を解散し、印ルピンも共和薬品工業を売却し、日本市場から手を引くなど後発品事業からの撤退組も現れている。

 今後、毎年薬価改定も実施される予定で、国内後発品市場の減速感はさらに増していくことが予想される。国内後発品企業が持続的に成長していくためには、ビジネスモデルの転換が不可欠で、こうした背景から専業大手は海外企業を買収した。日本の後発品企業にとっては今年が本当のスタートラインであり、日本企業が持つ技術力や付加価値が世界でどこまで通用するかは未知数だが、自ら市場を切り拓いてほしい。

 日本で多すぎると言われる後発品企業の業界再編も加速する可能性がある。総合リース企業のオリックスが福井県を本拠とする国内中堅の小林化工を子会社化した。

 ヘルスケア事業を強化するオリックスは、医療法人向けリースから原薬商社や動物薬企業に出資し、医療用医薬品市場にも参入を果たすことになる。これまではファイザーとマイランの連携や、武田薬品とテバの合弁会社「武田テバ」のような強者連合に加え、海外企業による日本企業の買収など同業間でのM&Aが基本だった。そこに異業種によるM&Aという新たな流れを作り出した。

 医薬品の産業構造は、長期収載品と後発品、医療とヘルスケア、日本市場と海外市場の垣根がなくなるボーダーレス化が進み、プレイヤーが多様化してくる。

 後発品企業の業界再編は大手が中堅企業を買収するのではなく、業種の枠を超えたM&Aなどでピークを迎えていくだろう。




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