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厚生労働省はこのほど、2007年度の無承認無許可医薬品等買上調査の結果を公表した。いわゆる健康食品のうち強壮効果を標榜する製品(強壮用健康食品)と痩身効果を標榜する製品(痩身用健康食品)、さらに最近乱用が問題になっている違法ドラッグについて調査が行われた。その結果、違法ドラッグでは1製品から指定薬物のDPTが検出された。
調査は47都道府県に買い上げ業務を委託し、昨年9月から今年3月まで実施した。各都道府県合わせて266製品(重複品目を含めると延べ279製品)を購入し、国立医薬品食品衛生研究所で医薬品成分の分析を行った。
その結果、強壮用健康食品では156製品(169製品)のうち20製品(26製品)から、医薬品成分が検出された。検出されたのは、シルデナフィル(国内ではクエン酸シルデナフィル、適応:勃起不全)のほか、タダラフィル(タダラフィル、勃起不全)、チオンデフィル(国内外で医薬品として承認されていない。シルデナフィルと類似の化学構造を有す)など9成分だった。痩身用健康食品71製品の中には、医薬品成分が検出されたものはなかった。
違法ドラッグについては、39製品のうち1製品に、幻覚作用等を有するトリプタミン系化合物のDPTが含有していた。違法ドラッグ対策強化のため、中枢神経系の興奮・抑制、幻覚作用があり、人への保健衛生上の危害が発生するおそれのある化合物を、指定薬物して取り締まる改正薬事法が、07年4月1日に施行されている。現在、指定薬物は33品目あり、販売等の規制が行われており、DPTは指定薬物でもあった。
なお厚労省によると、医薬品成分が検出された製品は無承認無許可医薬品に該当することから、当該製品を取り扱う業者等に対しては、関係都道府県などが販売中止や回収等の必要な措置を講じているとしている。
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