婦人科・小児科を重点領域に
富士製薬は、注射剤の需要が拡大する北米市場への進出を図る。昨年10月に就任した岩井孝之社長は、本紙のインタビューに応じ、「日本だけにとどまるわけにはいかない。北米に展開する上で製薬企業としての特徴がなければいけないので、われわれが強みとする注射剤の供給能力と製剤技術を活用していく」との方向性を明らかにした。まずは現地企業向けの医薬品開発製造受託(CDMO)事業で参入し、その後は新薬の自社開発も進めていく。婦人科領域に加え、小児科領域を新たな重点領域に位置づけ、不妊治療から出産、乳児や小児に対しても医薬品を提供し、両領域が連結した新たなビジネスモデル構築を目指す。
同社は、産婦人科領域やホルモン剤、注射剤の製剤技術を強みとする後発品メーカーだが、近年では新薬開発も行っている。導入品の月経困難症治療剤「ルナベル」や自社で臨床試験を行った初の製品である天然型黄体ホルモン製剤「ウトロゲスタン」を上市し、新薬やバイオシミラーへの事業拡大に舵を切っている。国内で後発品使用割合80%到達が間近に控える中、後発品から新薬への事業転換を図ると同時に積極的に海外展開を進めている。2012年に買収したタイの医薬品製造受託機関(CMO)「オリック」に製造販売機能を持たせ、ASEAN諸国で自販体制の構築を図り、避妊薬「エステロール/ドロスピレノン」の第III相試験をASEAN諸国で実施している。
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