新型コロナウイルス感染症の重症患者53人を対象に、抗ウイルス薬「レムデシビル」の人道的使用を目的に投与した国際コホート研究を分析した結果、68%の患者で臨床的改善を示したことが医学雑誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」で発表された。同剤は未承認薬で、今回得られた有効性・安全性の結果は限定的なものであることから、レムデシビルの開発を行うギリアド・サイエンシズは、現在実施中の第III相試験で詳細な検討を行う方針。
コホート研究では、レムデシビルの人道的支援を通じて、3月7日以前に同剤を1回以上投与された米国、欧州、カナダ、日本における入院中の新型コロナウイルス重症患者53人を対象に、同剤を静脈内注射した際の有効性・安全性を評価した。患者は全員同ウイルス感染による重度急性呼吸器症状が出ており、3分の2近くは人工呼吸器を使用し、そのうち4例は体外式膜型人工肺(ECMO)を使用していた。全体の約7割が高血圧、糖尿病などの併存症を持つ60歳以上の男性であった。
* 全文閲覧には 薬事日報 電子版 » への申込みが必要です。