2歳以上の神経因性排尿筋過活動患者に対する治療薬として米FDAがベシケアLSを承認

2020年06月10日 (水)

この記事は2020年06月10日に配信された記事です。
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FDA

 米食品医薬品局(FDA)は5月26日、VESIcare LS(ベシケアLS、一般名コハク酸ソリフェナシン、日本国内未承認)経口懸濁液を、2歳以上の小児における神経因性排尿筋過活動(NDO)の治療薬として承認したことを発表した。

 ベシケア(一般名コハク酸ソリフェナシン)錠は、18歳以上の過活動膀胱患者に対する治療薬として2004年に承認された。ベシケアLSは、2歳以上のNDO患者を対象としてFDAが初めて承認した治療薬である。現在の標準治療薬の投与回数は1日3回までとされているのに対し、ベシケアLSは1日1回の投与で効果を発揮すると、FDAのChristine P. Nguyen氏は述べている。

 ベシケアLSの有効性は、同薬を24週間投与した後に膀胱が蓄えられる最大尿量を主要アウトカムとした2件の臨床試験のデータに基づいて確立された。ベースラインと比較して投与開始24週間後の最大尿量は、2~5歳の患者17例を対象にした1件の臨床試験では平均で39mL、5~17歳の患者49例を対象にしたもう1件の臨床試験では平均で57mL増加した。両試験の患者で、自発性膀胱収縮および失禁回数が減少し、膀胱圧が低下した。

 最も多く報告されたベシケアLSの副作用は、便秘、口内乾燥および尿路感染であった。同薬の有効成分であるコハク酸ソリフェナシンの副作用として、血管浮腫およびアナフィラキシーを含む重度のアレルギー反応および傾眠(眠気)も報告されている。車の運転および重機の操作は、ベシケアLSによる影響が分かるまで控える必要がある。FDAは、医療従事者に対し、CYP3A4阻害薬を併用している患者に同薬を投与する場合は、推奨されている開始用量を超えて投与しないように注意喚起している。

 ベシケアLSの投与が禁忌とされている患者は、重度の肝不全患者、臨床的に重要な膀胱出口部閉塞が認められ清潔間欠自己導尿を導入していない患者、胃腸運動が低下している患者、QT延長のリスクが高い患者、狭隅角緑内障患者、同薬または同薬の成分に対する過敏症の既往がある患者である。

 なお、承認は、米Astellas Pharma社が取得した。(HealthDay News 2020年5月27日)

Source
https://www.physiciansbriefing.com/pediatrics-15/drug-approval-news-214/vesicare-ls-approved-for-neurogenic-detrusor-overactivity-758043.html

More Information
https://www.fda.gov/news-events/press-announcements/fda-approves-first-treatment-form-bladder-dysfunction-pediatric-patients-young-2-years-age


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