第一三共は6月29日、欧州で申請中の腱滑膜巨細胞腫(TGCT)治療薬「ペキシダルチニブ」について、欧州EMA医薬品委員会(CHMP)から承認を推奨しないとの否定的見解が示されたと発表した。副作用として重篤な肝障害を引き起こす可能性があるとして、同剤のベネフィットがリスクを上回らないと判断。米国では承認を取得し販売している製品だが、CHMPからは否定的な見解が示された。今後、CHMPの見解を精査し、開発方向性を検討する考え。
同剤は、Fms/Kit/FLT3-ITDの各受容体チロシンキナーゼを選択的に阻害するキナーゼ阻害剤で、TGCT患者120人を対象とした欧米第III相試験の結果に基づき、初のTGCT治療薬として米承認を取得していた。重篤な肝障害リスクを軽減するために、米国では安全性の管理方法等をまとめたプログラム「REMS」に従い処方されている。
* 全文閲覧には、薬事日報 電子版への申込みが必要です。