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日本薬剤師会は11日、2007年度(07年3月008年2月分)「保険調剤の動向」を発表した。処方せん受取率(分業率)は06年度を1・4ポイント上回り、57・2%に達した。処方せん枚数は3・5%増の6億8375万枚で、7億枚には届かなかった。また、昨年失速したかに見えた処方せん1枚当たり単価は、平均7190円と初めて7000円台を突破、06年度の6842円より5・1%伸びた。調剤金額自体も8・7%増の4兆9160億円で、5兆円に迫っている。07年度は診療報酬改定がなく、08年4月以降を含む08年度の動向が注目される。
07年度(全保険・速報値)は、調剤件数が4億8790万0099件(前年度比4・7%増)、処方せん枚数が6億8374万9727枚(3・5%増)、調剤金額は4兆9159億7394万円(8・7%増)だった。
分業率は57・2%で、前年度の55・8%から1・4ポイント増加した。分業率が70%を超えた都道府県は06年度と同様、秋田(分業率75・0%)、神奈川(72・1%)、佐賀(71・8%)の常連3県だったが、60%台は14都道県から16都道県へ増加を続けている。また30%未満は、福井県(26・0%)のみだったが、同県も前年度に比べ1・7ポイント上昇し、着実に伸展を続けている。また大半の都道府県では、前年度より分業率が伸びているが、唯一佐賀県だけが前年度と同率だった。
都道府県別に件数、枚数、点数の伸び率をみると、処方せん枚数では06年度に前年度実績を下回った鳥取、佐賀、長崎の3県は、07年度に1%程度と若干伸びたものの、伸び率は全国平均の3・5%を下回った。特に鳥取は0・3%しか伸びていない。
調剤金額は、06年度は05年度よりわずかな伸びだったためか、平均8・7%と大きく伸びた。ただ、処方せん枚数と同様に、鳥取(5・4%)、佐賀(6・1%)、長崎(6・9%)の3県は、他県に比べ厳しい状況にある。これに対し石川(14・9%)、滋賀(13・1%)、福井(12・8%)が大幅に伸びたほか、埼玉、静岡、兵庫なども10%台と比較的高い伸び率を示した。
処方せん1枚当たり単価は、平均では7190円と7000円台に突入した。しかし、都道府県間のバラツキが大きく、最高の石川9592円(分業率は約38%)と最低の佐賀5858円(71%)では、3734円の開きがあり、前年度の3553円から、さらに地域差が拡大した。 単価が高いのは石川以下、福井9354円(分業率26%)、京都9128円(35%)、長野8423円(54%)で、比較的分業率が低い県だった。逆に単価が低かったのは佐賀以下、福岡6023円(63%)、熊本6378円(54%)、鹿児島6385円(60%)、と、九州の各県が顔を揃える。ただし、佐賀や福岡は、1件当たり枚数が他県に比べ高い傾向にある。
こうした結果について山本信夫副会長は、「これまでの傾向に変化がないというのが特徴といえる。未だ分業率30%未満が1県あるが、70%を超える県も一定数が出たり入ったりという状況にある。国全体からすると、伸びがそろそろ止まりつつあるように思う」とコメントした。
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