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健康保険組合連合会、全国1518健康保険組合の2007年度決算見込を発表した。健保組合全体の経常利益は599億円で5年連続の黒字決算となったが、黒字額が前年度から1773億円減り収支が悪化したほか、赤字組合も前年度より178組合増え、全体の4割を超えるなど、財政は厳しい状況となった。また、08年度の財政は高齢者医療制度への支援金、前期高齢者納付金などが膨らむ影響で、負担金が大幅に増加し、約6300億円の経常赤字に転落するとみている。
保険料収入総額は6兆0493億円で、06年度に比べ1848億円の増加。被保険者1人当たり額は38万3629円で、1652円の増加となっている。法定給付費総額は3兆1875億円で、06年度より1249億円、4・1%の増加となった。
拠出金については、老健拠出金が1兆1777億円で前年度比プラス210億円と1・8%の増加。02年10月の健康保険法改正(公費負担増、対象年齢の段階的引き上げ)の影響で、03年度以降減少を続けていたが、07年度については制度改正効果がほぼ消えたことなどが影響し、5年ぶりに増加に転じた。また、退職被保険者の増加などで、退職者給付拠出金が前年度比2042億円(21・7%)と大幅に増加。全体の拠出金も2251億円(10・7%)と昨年度に続き増えた。
赤字組合数は、06年度に比べ178組合増えて680組合となり、全組合の約45%を占めた。赤字総額も573億円増加して1570億円となった。
健保連は、07年度の収支状況について、「黒字決算となったが、前年度に比べ黒字額は大幅に減少し、03年以降、小康状態が続いていた組合の財政は大きく悪化した」との見方を示した。
さらに、08年度は新たな高齢者医療制度の創設により、「後期高齢者支援金」「前期高齢者納付金」などの負担が、旧制度の拠出金負担を大きく上回るほか、早期集計では経常収支差額で約6300億円の赤字を計上し、赤字組合が9割に達する見込みで、さらなる財政の悪化が懸念されるとしている。
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