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富士経済は、ダイエット目的に合致した商品やカロリーコントロール機能を持つ商品などメタボ対策商品と、それに関連するサービス市場を調査し、報告書「メタボリックシンドローム対策市場2008」にまとめた。それによると、07年のメタボ対策市場は1兆4000億円で、08年は18・7%増の1兆6613億円と見込んでいる。
調査では、内服型の食品24品目、外食・中食5品目、一般用医薬品4品目のほか、衣類や機器類、ソフト/ネットサービス、フィットネスクラブといったメタボ対策商品・サービス市場について分析した。
調査結果によると、07年のメタボ対策市場は1兆4000億円で対前年比14・1%の増加だった。内訳は、食品が1兆2242億円(11・6%増)、外食・中食が157億円(18・0%増)、一般用医薬品247億円(32・8%増)、その他1354億円(37・9%増)となっている。
特定保健用食品(トクホ)を含むメタボ対策の食品市場は、健康食品・サプリメントを除くと、缶コーヒー・リキッドコーヒーや茶系飲料、乳性飲料、炭酸飲料などの飲料系が上位品目で、特にアルコール飲料が急伸長し、市場拡大の一因になったと分析。その一方で、健康食品・サプリメントは06年以降、規制強化や安全性をめぐる諸問題の発生、また健康食品・サプリメントと同じコンセプトの米飯や菓子、デザートなどに需要が移行して、実績は縮小したと指摘した。
そのうちトクホは1163億円で、07年の食品市場の9・5%を占めている。茶系飲料や食用油など規模の大きな品目が続伸していることや、缶コーヒー・リキッドコーヒーが新たな品目として加わったことで前年比15・1%の増加となった。
08年の食品市場については、19・1%増の1兆4580億円と見込んでいる。
一般用医薬品市場は、06年の厚労省によるメタボ注意の喚起を契機に大幅に拡大。肥満防止剤は、クラシエ薬品の「コッコアポ」ブランドに依存する市場だったが、06年に小林製薬の「ナイシトール85」が発売され、2大ブランドが市場を牽引。その後も、両社から新商品が追加されるなど、市場は好調に拡大していると評価した。
血清高コレステロール改善薬は、06年から第一三共ヘルスケアが実績を拡大させる一方で、エスエス製薬も「コレステガード」を発売し、実績を上げている。08年も小林製薬が「ドルチトール」を発売しており、市場の大幅拡大を見込んだ。
漢方処方エキス製剤(防風通聖散)も、肥満対策を脂肪燃焼効果と分かりやすく訴求して需要を取り込んでおり、07年は前年比2・8倍と大幅に拡大した。
医薬部外品ドリンク剤市場は、大正製薬の「リポビタンファイン」が05年の発売以来順調に実績を伸ばしている。ドリンク剤の機能に加え、ノンシュガーの低カロリーであることがスムーズな需要開拓につながっていると分析した。
08年のメタボ対策の一般用医薬品市場は、15・0%増の284億円と見込んでいる。
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