◆日本製薬工業協会は、新型コロナウイルス感染症治療薬とワクチンの創製に向けた提言書を発表した。製薬企業の参入が進みづらい中、感染症対策を統括する国の司令塔機能として、「日本版CDC」の構築を求めている
◆感染症対策は公衆衛生上、重要な国家戦略となる。日本版CDCには長期的な予算権限を付与し、将来のパンデミック発生に備え、平時から研究開発や安定供給体制を整備するのが狙いだ。製薬業界が一枚岩となって協力し、国が責任を担うコンセプトは理解できる
◆しかし、提言書の中身を見ると、研究開発から製造、安定供給、規制と対応すべき課題が多い。製薬業界が理想とする姿と現実の乖離が大きく、日本版CDCが絵に描いた餅にならないか心配だ
◆製薬23社が多剤耐性菌治療薬の開発に向けてファンドを設立した。ドラッグリポジショニングから新規感染症治療薬へとつなぐ企業主導の取り組みは始まっている。研究開発の支援体制などで国が関与する枠組みと、どう結びつけるかがカギとなるだろう。
国の司令塔機能として
2020年07月17日 (金)
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